乳房の一部が固くなってしこりができ、石や岩のようになり、激痛!
これがいわゆる「おっぱいがつまった」という「つまり」の状態です。
これは乳管(母乳が通っている管)に何かがつまった状態になり、
その結果、一部に母乳が溜まって乳房が膨れてしまった、
ざっくり言えばそんな感じでしょうか。
何が、どのようにつまってしまうのか、
しっかり科学的に解明されてはいないのですが、
お乳のカスとか、乳管の表面が剥がれたものとか、ゴミとか?
とにかく何か(乳栓と言ったりします)がつまってしまい、
そこから奥の乳房に母乳が溜まって、ガチガチにしこりができて、とても痛い、というわけです。
つまり方(かた)、つまりの状況も様々で、
細い乳腺がつまるのと、太い乳腺がつまるのでは痛さもしこりの程度も違いますし、
(当然細い乳腺の方がつまりやすいので多少注意した方が良いでしょう)
がっつり蓋をしたようにつまることもあれば、隙間からちょびちょび出ていることもありますし、
(がっつりつまると痛いが、圧がかかりやすいのでポン!と抜けやすくもある。隙間から漏れるようなつまりだと圧がかからないので痛みは幾分軽いが抜けにくいこともある)
乳栓が硬いとか大きいとか、崩れやすいとか、柔らかいとか、ねちょねちょしているとか、
わらわら無数に出てくるとか、パターンはいろいろで、
それによって痛みやしこりの程度もいろいろ、治り方もいろいろです。
(硬くて大きい乳栓は想像通り痛いし改善するのに時間がかかることも。粘り気があったり崩れやすいと意外に抜けにくかったり、細々わらわら際限なく乳栓が出続けてスッキリしづらいこともある)
すぐ抜けることもあれば、2日間くらいかかることもあります。
1回で済むこともありますが、大なり小なり繰り返すことが多いです。
繰り返しつつ良くなっていく方もいますし、繰り返した結果悪化して白斑になったり、こじれて乳腺炎になる方もいます。
つまってすごく痛いので、これは乳腺炎だと判断される方も多いのですが、
乳腺炎とつまりは別物です。
つまった結果、乳腺炎になることも無くはないですし、軽く炎症することもありますが、
つまっただけですぐに乳腺炎のような高熱は出ませんし、赤く腫れあがることもありません。
つまりが抜ければ、すっと良くなって痛みも改善します。
つまった後、白斑に移行してしまうことはよくあります。
つまりの程度が激しかったり、長時間つまりが解消されなかったりすると、
軽い炎症状態になっていて、白斑になりやすくなるようです。
つまっても、飲んでもらえば取れるからといって、繰り返しているうちに
しこりが取れきれなくなったり、白斑になって来られる方も多いです。
だいたい慢性炎症化していますね。そうなると治るまで時間がかかります。
普通の健常なおっぱいの状態で、あかちゃんが上手く飲んでいれば、つまることはないので、
つまった時点で何か問題が生じていると思って、
放っておかずに、早めにご相談されることをおすすめいたします。
乳管の表面(母乳が出てくるところ)に皮がかぶって、水疱(小さな水ぶくれのような感じ)ができ、つまったと同じ状態になることもあります。
これがたまに難癖で、皮を破ればすぐ解消できるとも限りません。
だいたいが皮が破れれば抜けて、しこりもスムーズに解消されるのですが、
そうはいかない難しい場合もあります。
こういうケースは、いじらない方が絶対に無難なので、
不安な方は、いじらずに、早めにご相談された方がいいと思います。
下手にいじると、かえってこじらせるパターンです。
原因と考えられるのは、乳腺炎や白斑と同じで、溜まってしまうから、滞るからです。
ですので、予防も同じで、
乳房内に母乳をできるだけためないように、
せっせと飲ませ、たまって硬くなりかけたら搾って、
とにかく常に柔らかいおっぱいを保つこと。
うまく赤ちゃんが飲みとれない場合は余計に注意が必要です。
つまりについては、特に授乳のしかたに原因があることが多い印象があります。
浅い飲み方、引っ張って飲む、抱き方や飲ませ方の問題、授乳間隔が空きすぎた、などです。
また、お母さんの疲れやコリ、そこから生じるストレス発散の食べ物の影響が大きいかな?
つまっても自分ですぐ解消できている方は多いと思います。
ただ、通常はつまらないわけで、決して健康的で問題ないとは言えず、
何か上手くいっていないところがあると思ってよろしいかと思います。
まずは授乳を見直して、ストレスフリーな環境を整えてみて、
それでも繰り返すようでしたら、ぜひご相談されてみて下さい。